オペラの舞台裏を覗いてみよう!舞台裏ではどんな人が働いているの?

こんにちは。

オペラの主役と言えば様々な役を演じるオペラ歌手という事になりますが、オペラの舞台裏って想像した事ありますか?

オペラの上演中、舞台裏では実に多くの人たちが働いています。今回はそんな舞台裏を覗いてみましょう!

オペラの上演中、舞台裏で働いている人たち!

化粧係(Maske)

オペラに出演する歌手は素顔で舞台に上がるという事はまずありません。必ず化粧をして舞台に上がりますが、歌劇場には化粧をしてくれる専属のメイクさんがいます。

公演がある日は、開演時間の何分前に化粧室入りするというようにスケジュールが決まっていて、自分の決められた時間通りに化粧室入りしてメイクしてもらいます。私は大きな役を歌うときはだいたい60分ぐらい前に化粧を済ませ、その後でウォーミングアップしたりして準備をするのが好きですね。

人によってはぎりぎりまで化粧をしたくないという人もいます。

演奏中にはかつらや付け髭がとれてしまう事もあるので、メイクさんたちは常に舞台の近くに待機しています。そして公演が終わったら私たちの化粧落としも手伝ってくれます。

化粧係は公演がないときは、新演出のためのかつらを作ったり、マスクを作ったり、特殊メイクを作ったりという作業もしています。私は特殊メイクのために石膏で顔面の型どりをした事もありますよ・・・。

ドン・ジョヴァン二役:こんなアイマスクでもきちんと石膏で型どりします。

化粧係は歌手との接点が多いので個人的に親しくなる同僚が多いですね。

衣装係(Ankleider)

公演の前に歌手の控室にその日の衣装を用意、管理するのが衣装係です。演目によっては舞台袖で急いで着替えなければならない時も結構ありますが、そういうときに歌手の着替えを手伝ったりもします。

それ以外にボタンが外れた時に直したり、また汗をかいたら代えの下着を持ってきてくれたりするのも衣装さんです。なので衣装さんはオペラが上演されている間、着替えを手伝ったり、片づけたりと割と大忙しです。

劇場によっては公演後にバスタオルを用意してくれる所もありますね。私がヒルデスハイム歌劇場で客演契約していた時は、バスタオル付でしたが、その後専属契約で歌っていたザクセン国立劇場ではバスタオルはなしでした・・。

衣装係は公演がないときは、衣装の洗濯、アイロンがけ、手入れ等などもしています。

進行係(Inspizienz)

ちょっと日本語で何と言うのが相応しいのか迷いましたが、歌劇場にはインスピツィエンツと呼ばれる人がいます。とりあえず進行係としておきましょう。舞台袖にある進行係専用のブースがあり、そこから進行に関わる指示を出しています。進行係は最も重要な舞台裏の人物です。

具体的には、私達歌手の出番が近づいてくると、放送を入れて舞台に来るように呼び出します。これがあるので私たちは自分の出番が来るまで舞台袖で待っている必要がありません。

進行係の楽譜には、小説毎に誰にどういう指示をしたらよいのか細かい指示が書き込まれています。その楽譜を見ながら音楽に合わせて、照明をいつ変えたらよいのか、いつ舞台を動かしたらよいのかなど様々な指示出しをしています。

進行係は公演以外にも舞台で練習する時は必ず必要となります。舞台を裏ですべて取り仕切っているのがこの進行係になります。

演出助手 (Abendregie)

進行係と同じぐらい重要なのが、演出助手の存在です。多くの歌劇場は演出家とは演目事に客演契約を結んでいるところが多いですが、演出助手とは専属契約を結んでいるところが多いです。実は演出助手というのは歌劇場にとっては欠かせない存在なんです。

私たちの普段の稽古は演出家が行い、演出助手はあくまでそのサポート、そして演技指示の記録がメインになります。しかし演出家は公演のプレミエ(初日)が終わると劇場からはいなくなってしまします。そこで残りの20公演がうまく行くように取り仕切るのが演出助手の仕事です。

歌手の中には、時間が経つと演技の内容をどんどん忘れてしまう人も結構いますので、そういう時にサポートするのが演出助手の仕事となります。

また風邪をひいて代役の歌手がやってくると、その歌手に一通り演技を教えなければいけません。そして本番中も常に舞台袖から代役歌手をサポートします。

演出助手は過去の公演の再演があるときなどに、舞台稽古を取り仕切ったりもします。

プロンプター (Souffleur)

オペラ歌手にとって欠かせないのがプロンプターの存在ですね。オペラ歌手は結構本番中に歌詞を忘れてしまう事が良くあります。

それを助けるのがプロンプターです。プロンプターは公演中、楽譜と歌手を両方みながら、歌手が歌詞を忘れそうだと感じ取って、歌いだすよりも少し前にセリフをささやいてくれるのです。

プロンプターは舞台稽古の時からずっと一緒にいますが、優秀なプロンプターはどの歌手が忘れっぽいか、とかどのあたりで忘れそうかきちんと把握しています。

歌手の多くは信頼のあるプロンプターがいることで安心して舞台に立つことが出来ます。

小道具係 (Requisite)

小道具係は公演で使う小道具を用意するのが仕事になります。オペラの中では様々な小道具が使われますが、そうした小道具を開演前に舞台上にセットしたり、舞台袖の棚の上に用意したりします。

私達歌手は使い終わった小道具は責任をもって元の棚の上に戻さなければならず、それを忘れると小道具さんに怒られることになります・・・

公演がないときは新演出で必要な小道具を一から手作りする事もあります。

舞台技術者 (Bühnentechniker)

ドイツではテヒニカーと呼んでいますが、日本語に訳すと舞台技術者とでもいいましょうか。テヒニカーは舞台セットの組み立てと解体などが主な仕事となります。公演中にも幕の合間にセットを解体して、新たに組み立てたりしますし、舞台が回転したりする場合などはそういう操作もします。またセットで使う扉の開け閉めなんかをする事もあります。

客席からは彼らの姿は見えませんが、常に舞台のセットの影にかくれながら仕事をし、公演を支えてくれます。

音響・照明(Ton/Beleuchtung)

オペラの演出において照明は非常に重要な要素を占めていますが、いろいろなライトの色を調合して適切な色と雰囲気を作り出すのが、音響、照明係の仕事になりますね。本番中は音楽に合わせてテンポよく照明の色を次から次へと手動で切り替えていきます。

また私達オペラ歌手はオペラの公演においてマイクを使う事はありませんが、ミュージカルなどでは時々ヘッドセットを付けて歌う事もあります。

そうした時に歌手のマイクのスイッチを入れたり切ったりするのも彼らの仕事です。音響さんが歌手のマイクのスイッチを切り忘れたりすると歌手が舞台裏で話していることがすべて筒抜けになってしまうので、大変な事になりますね。

私はマイクを切り忘れた場面には遭遇したことはありませんが、入れ忘れという場面には何度も遭遇しました・・。やれやれ。

オペラの公演の前に働いている人たち

衣装作製 (Costüme)

こちらは同じ衣装係でも、公演があるときに舞台裏で働いている衣装さんとは違います。衣装作製係は新演出のためにひたすら私達の衣装を作ってくれています。

私たちは新演出になるたびに仮縫いに呼び出され、衣装を試着しなければなりません。歌手はこれだと歌うときに邪魔そうだとか動きづらいとか注文(文句)をつけて直してもらいます。

衣装作製係は公演の前のドレス・リハーサルにも顔をだして、歌手や演出家の声を聴きながらぎりぎりまで手直しします。

大道具係(Tischler)

私達歌手とはあんまり接点がありませんが、劇場の近くの建物には大道具をつるく工房があります。そこで舞台セットに必要な特別な家具などを作っていますね。

残念ながら同じ劇場で仕事をしていても私達歌手とはほとんど接点がありません。

おわりに

今回は公演の舞台裏で働いている人たちを紹介してみましたが、こうしてみると実にいろいろな人たちが働いていますね。

オペラの舞台は歌手や音楽家だけでなく、このような人たちの仕事でもって成り立っています!

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