日本人が最も苦手とする外国語の発音②:Sの発音の仕方を解説!【声楽、オペラ】

こんにちは。日本人が苦手とする外国語の発音として、以前Nの発音を取り上げましたが、第2回目はSの発音を取り上げてみたいと思います。

実はこのSの発音は私にとっては最も苦手な発音でもあります。今でも自分の練習の録音を聞き返していると時々間違っていることがあるんですよね・・・。

今回はどうしてSの発音が難しいのか話していきましょう!

Sには二種類の音がある!

まず単純にSと言っても実はには2種類の発音があります!一つはイタリア語のSole(ソーレ:太陽)のようにSが無声となるパターンです。そしてもう一つはドイツ語のSonne(ゾンネ:太陽)のようにSが有声となるパターンです。

Sole(ソーレ)もSonne(ゾンネ)もどちらも問題なく発音できるように思えますよね。

ジュゼッペ

もちろんです。ソーレもゾンネもどっちも初級レベルの単語ですよ!

でも本当に自信をもって正しく発音できると言えるでしょうか・・・?

ジュゼッペ

そういわれると急に自信なくなりますね・・。

おそらくSole(ソーレ)のSはたいていの人が問題なく発音できると思います。

でもSonne(ゾンネ)のSの音は日本人にとっては非常に間違えやすい子音なんですよ。

ジュゼッペ

えー!なんでですか?

それをこれから解説していきましょう!

日本人がSの発音が苦手な理由!

実は私達日本人はこのSの発音が有声(ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ)となった時に間違える可能性が高いです。

その理由は日本語にはない発音だからです。

ジュゼッペ

でも日本語にも座布団(Zabuton)、座敷童(Zashikiwarashi)、座談会(Zadankai)とかいろいろありますよ・・。

その通りです!しかしそれこそがまさに落とし穴なんです!今回も日本育ちのイタリア人ジュゼッペ君に登場してもらいましたが、もう一度座布団、座敷童、座談会の言葉を冷静に見返してみてください!

ジュゼッペ

座布団(Zabuton)、座敷童(Zashikiwarashi)、座談会(Zadankai)・・・見返しても特に気が付きませんが・・。

では今度はローマ字に注目してみてください!

ジュゼッペ

Zabuton、Zashikiwarashi、Zadankai….分かりました。これらはみんなSではなくZになっていますね!!

その通りです。そしてこれがポイントです。実は私たちが使っているザ・ジ・ズ・ゼ・ゾはローマ字にするとZで表記される通りZの発音なんです。

そしてこれこそが私達日本人にとっての大きな落とし穴になります。

というのもSonne(ゾンネ)のSの発音はZとは微妙に違うからです!!日本人はたいていの場合SではなくてZで発音してしまうという傾向にあるんです!!

SとZの発音の違いと発音の仕方!

では早速SZの発音の違いについてみていきましょう!実はこのSとZは辞書の発音記号ではどちらも[z]と表記されていますが、厳密には違います。

ドイツ語で多く登場する有声のSの発音ですが、この時舌のポジションは無声のSと全く同じです。

試しに無声のSでスーーーっと伸ばしてみてくれますか?

ジュゼッペ

ssssss・・・・(スー・・・)

この時の舌の位置を確認してください。舌は前歯に触れていませんね。

有声のSの発音は、この舌の位置で声を使って発音するだけです。つまり有声のSの発音では舌が前歯に触れてはいけません

ジュゼッペ

ssssss・・・・(ズー・・・・)。なるほど確かに舌を前歯につけなくても有声のSの発音が出来ますね。

では今度はZの発音を見ていきましょう。Zが出てくる言葉には例えばイタリア語のZucchini(ズッキーニ)やZucchero(ズッケロ:砂糖)などがありますが、Zの発音をする瞬間には舌先が前歯に接触します。実際には舌がDの発音をする位置まで来ますね。舌と前歯4本分ぐらいが接触している事になります

これがZの発音です。これは私たちが普段使っているザ・ジ・ズ・ゼ・ゾとほぼ同じなので日本人にも問題なく発音することが出来ます。

ジュゼッペ

なるほど!日本人はSという時もZになるという意味が分かりました!

一方有声のSは日本人にはかなり難しい発音です。気を抜くとすぐにZになってしまいます・・・。これはぜひとも気をつけてもらいたい所です。

実例

ドイツ人バリトン歌手フィッシャー・ディースカウが歌うシューベルトの「Heidenrölein:野ばら」を聴いてみましょう!

Heidenröslein: Goethe

Sah ein Knab’ ein Röslein stehn,

Röslein auf der Heiden,

war so jung und morgenschön,

lief er schnell, es nah zu sehn, sah’s mit vielen Freuden.

Röslein, Röslein, Röslein rot, Röslein auf der Heiden.

冒頭から有声のSが出てきますね。この時私たちは舌が前歯に触れないように気を付けて発音しなければなりません。有声のSは柔らかくて響きが豊かな子音です。しかし舌が前歯に触れてしまうと、そこに破裂音が加わることになります。私達日本人はその違いは訓練をしないとなかなか聞き取れませんが、ドイツ人は割とその違いに敏感です。

ジュゼッペ

分かりました。舌が前歯に触れないようにまずはゆっくり練習します!

おわりに

今回は日本人が苦手な発音としてSを取り上げてみました。これは非常に細かい違いですがこのような違いをはっきりさせることは歌手にとっては非常に重要になります。

有声のSとZは辞書の発音記号ではどちらも[z]と表記されますが、厳密に言えばこの二つは違います。本来は二通りの表記があるべきんですが、そこまで正確性を要求されるのはまあ歌手ぐらいなものです。

私達歌手にとっては非常に大事な問題ですから、ぜひともこうした違いも修得したいものですね!

0

↓この記事が役に立ったら応援クリックよろしくお願いします!↓

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへ