イタリア語の発音!声楽家が最初に覚えるべき3つの約束事!

こんにちは。

さて、タイトルにもありますように、今回はイタリア語発音の約束事についてお話したいと思います。

私がこの発音の規則に出会ったのは、シュトゥットガルトに留学していた時の事です。ドイツに来てから丸2年が過ぎ、シュトゥットガルト音楽大学のオペラ科のプロダクションに出演するというチャンスを得た時の事でした。

その時はロッシーニのオペラをやったのですが、スイス・ルガーノ(イタリア語圏)出身のイタリア語発音の専門家(自身は舞台俳優でもあり演出家)がイタリア語のコーチとしてプロダクションの稽古の間みっちりとしごいてくれたのです。

その時に教わった3つの約束事は、今でもイタリア語のオペラを歌う上で大変役に立っています。

この規則さえ知っていれば、自分ひとりでも多くのミスを減らすことができるのです。

もちろんイタリア語の発音の規則はこれだけではありませんが、今回は実戦に役立つ3つの約束事を紹介しようと思います

1.二つの母音に挟まれた一つの子音は短く柔らかい!

まずは、amore (動詞:愛する)という単語を例に挙げてみていきましょう。この言葉の発音をカタカナで表記するとアモーレになりますが、実際に歌う際にはどのように発音することを心がければ良いのでしょうか?

アンモーレといったように感情に任せてMを長めに発音したり、またはアモーrrrレといった感じでRを巻き舌して強調したりしても良いのでしょうか?

  

答えはダメです。※もちろん例外はありますが今回は原則の話なので触れません。

それはすでに上の見出しにも書いたような規則があるからです。その規則、大事なのでもう一度書きましょう。

規則①:二つの母音に挟まれた一つの子音は短く柔らかい!

となりますのでこれをしっかり覚えてください!

早速amoreという単語をこの規則と照らし合わせてみていきましょう。この単語ではMという一つの子音がaとoという二つの母音に挟まれて(a-M-o)おり、さらにRという一つの子音がoとeという二つの母音に挟まれています(o-R-e)ね。

なのでこの時のMとRの子音はできるだけ短く、そして柔らかく発音することを心掛けなければなりません。

決して感情にまかせてMやRといった子音を強調してはならないのです!特にRを必要以上に巻き舌にしてはいけません。舌が硬口蓋に一回触れれば十分です。

練習①子音は短く柔らかく!
  • amoroso
  • sapere
  • volare

2.二つの母音に挟まれた二つの子音は、最初の子音が長くて強い

次はcantare(動詞:歌う)という単語を例に見ていきましょう。この言葉はカタカナで表記するとカンターレなりますが、この単語をしっかり発音するためには二つ目の規則が必要になります。その規則とは小見出しにもあるように

規則②:二つの母音に挟まれた二つの子音は、最初の子音が長くて強い

となります。では早速この規則に照らし合わせてみていきましょう!

まずはNT二つの子音がaとa の母音に挟まれているのに気が付きますね(a-NT-a)。この時は最初のNの音をしっかり発音しなければなりません。カターレと長めにしっかり発音するのです。

よくレガートで歌おうとしてこのNをできるだけ短めにしようとする歌い手(特にドイツ人に多い)がいますが、それは間違っています。

しっかり発音すること大事です。

同じ子音が二つ続く場合は?

無声子音の場合

イタリア語にはtoccare(トッカーレ)やsotto voce (ソット・ヴォーチェ)のように同じ子音が二つ続く単語がけっこうたくさんありますが、こうした場合はどうなるでしょうか?

これも基本的には規則②にのっとりますが、この場合は2度同じ子音を発音することはできませんから、実際にはその分長く時間をとって発音します。実際には日本語の促音(小さな)に近いと考えてよいでしょう。

なので、 toccareの場合はトカーレと小さなツの部分を気持ち長めに時間をとります。。 sotto voce の場合も同様にソト・ヴォーチェと小さなツの部分で気持ち長めに時間をとります。

有声子音の場合

今度は別な例を見てみましょう。イタリアにはcorriere dello sportという有名なスポーツ新聞がありますが、の子音が二つ続いていますね。この場合も規則②に則って発音します。母音に挟まれた子音が二つの場合は最初の子音を長く強く発音しますから、coR-riereのように最初のが強くなります。ちょっと大げさにカタカナ表記するとコリエーレに近い感じになります。ルの部分はしっかり巻きましょう

次のdelloの場合も同様です。deL-lo 最初のLを長めに発音してください。カタカナに表記するとデッに近い表記になります。

練習②:最初の子音をしっかり発音!
  • forte
  • farfallone
  • giorno
  • turbando
  • belle

3.言葉の最後がRで終わる場合、Rは強く発音される!

では3つ目の規則に進みましょう。3つ目の規則はズバリ、

規則③:言葉の最後がRで終わる場合、Rは強く発音する

というものです。

イタリア語ではamor、pensier、cantar、purなどとRで終わる言葉が沢山あります。アモー、ペンスィエー、カンター、プーと最後のRをしっかり巻いて発音しなければならないのです。

規則①で見たようにamoreのRは巻き舌にしてはいけませんが、amorの場合はRをしっかり巻いて発音します。この使い分けが大事になってきます!

練習③:語尾のRはしっかり巻いて
  • amoR
  • pensierR
  • coloR
  • puR

外国語の発音はカタカナでは表記できない

今回のカタカナ表記なあくまで便宜的なものです。カタカナで表記した部分もカタカナ発音ではなくてしっかりとイタリア語で発音してくださいね!

いちおう便宜上カタカナ表記を使って発音を説明してみましたが、そもそもカタカナで外国語の発音を正確に表記することはできません。上の例からもわかるように日本語ではRとLの区別やSとZの区別はできません。それから必ず母音と子音がくっついている日本語では子音が二つ続いた言葉の表記はできません。

まとめと応用練習

  1. 二つの母音に挟まれた一つの子音は短く柔らかい!
  2. 二つの母音に挟まれた二つの子音は、最初の子音が長くて強い!
  3. 言葉の最後がRで終わる場合、Rは強く発音される!

さて、この3つの規則をしっかり頭に入れたら早速実践してみましょう。

モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」から有名なアリア「Non piu andrai」をイタリア人バス歌手チェーザレ・シエピの歌唱で聞いてみましょう。歌詞を見ながらチェックしてみてください!

Non più andrai, farfallone amoroso,
Notte e giorno d’intorno girando;
Delle belle turbando il riposo
Narcisetto, Adoncino d‘amor.
Non più avrai questi bel pennacchini,
Quel cappello leggero e galante,
Quella chioma, quell‘aria brillante,
Quel vermiglio donnesco color.
Tra guerrieri, poffar Bacco!
Gran mustacchi, stretto sacco.
Schioppo in spalla, sciabla al fianco,
Collo dritto, muso franco,
Un gran casco, o un gran turbante,
Molto onor, poco contante!
Ed invece del fandango,
Una marcia per il fango.
Per montagne, per valloni,
Con le nevi e i sollioni.
Al concerto di tromboni,
Ci bombarde, di cannoni,
Che le palle in tutti i tuoni
All’orecchio fan fischiar.
Cherubino alla vittoria:
Alla gloria militar.

規則①を、規則②を黄色、規則③をで途中まで塗分けてみました。後は自分で規則に従ってチェクしてみてくださいね。

おわりに

今回は声楽家が最初に覚えるべきイタリア語の発音の規則について話しました。このように子音の発音の仕方で言葉にリズムが生まれてきます。

これさえしっかり身に着ければ、イタリア語の発音が上達する事間違いなしですから、ぜひとも実践してみてください!

+1

↓この記事が役に立ったら応援クリックよろしくお願いします!↓

にほんブログ村 クラシックブログ オペラへ