おすすめオペラ歌手!テノール、アウレリアーノ・ペルティレの歌唱の魅力!!【大歌手から学ぶ!】

こんにちは。

今回はイタリアの大歌手、アウレリアーノ・ペルティレを紹介します。

ペルティレは最近私が良く聴いているテノールになりますが、本当に素晴らしいです。早速その魅力に迫っていきましょう!

アウレリアーノ・ペルティレとは?

アウレリアーノ・ペルティレは1885年に生まれたイタリア人テノールです。ヴェルディがオテロを作曲したのが1887年ですから、それよりも少し前に生まれた事になりますね。

ペルティレは1916年から1937までスカラ座のスターテノールとして大活躍しましたが、その間何度も大指揮者のトスカニーニと共に演奏しています。歴史的にはボーイト「ネローネ」、それからマスカーニの「ネローネ」の初演を演じています。

彼よりも少しだけ後に生まれたジーリやスキーパは30年代の後半から映画スターとしても活躍したため、いくつかの映像も残していますが、ペルティレの場合は私が知る限りでは演奏している映像は残されていません(私はまだ見たことがないですが、どこかにはあるかもしれないですね。)しかし幸運にも録音は残っているので、私たちは今でも彼の演奏を聴くことが出来ます。

では早速彼の演奏を聴いてみましょう。

エネルギーの塊!

ペルティレを聴いて一番驚いたのは、そのエネルギーです。私達歌手にとってエネルギーの源は横隔膜を使った呼吸にあるわけですが、ペルティレはそこから発せられるエネルギーが本当にすごいです。

まずはこの演奏を聴いてみましょう!

プッチーニのオペラ「トスカ」よりカヴァラドッシが歌うアリア“Recondita armonia”になります。このアリアを聴いた時は本当に驚きました。彼の歌うフレーズは、一か所たりとも、このエネルギーが弱くなる所がないのです。

彼の素早い声のビブラートはこの呼吸に支えられたものです。何というか、これは並みの歌手がフォルクス・ヴァ―ゲンのエンジンを搭載して歌っているとしたら、彼の場合はフェラーリのエンジンを搭載しているようなものですね。そのパワフルなエンジンから送り出される息こそが、彼の声に輝きと艶をもたらしています。

ジュゼッペ

この息遣いのみなもとがフェラーリの8気筒ターボエンジンというわけですね。私も軽自動にならないように気を付けます。

このアリアに限らず彼の歌唱では、そのエネルギーが途切れることが決してありません。これはかなり凄い事ですよ。

ローエングリン

続いてこの録音を聴いてみましょう。

ヴァーグナー作曲「ローエングリン」よりローエングリンのアリア“In fernem Land”になります。歌っているのはドイツ語ではなくてイタリア語ですが、私が知っているローエングリンのアリアの中では最高の演奏になります。

ペルティレの母音は中間音から決して広がりすぎることなく、すべての音域において美しいレガートを実現させています。

ペルティレがこれをイタリア語でしか歌わなかったのは本当に残念です。彼がドイツ語もできていたら、トスカニーニと共に素晴らしいローエングリンの録音を残していたかも知れません。そうしたらこの歌唱がヴァーグナー歌いのスタンダードになったことでしょう。

良くヴァーグナーを力押しで歌うドイツ人の歌唱を、イタリア人のテクニックと区別してドイツ式テクニックと表現する事がありますが、私はそのようなドイツ式テクニックというのが存在するとは思いません。彼らの多くはペルティレのように歌う方法を単に学ばなかった、もしくは学ぶ機会に恵まれなかっただけです(もちろんドイツ人の中にもフランツ・フェルカーなどヴァーグナーを素晴らしいテクニックで歌う歌手もいます)。

トゥーランドットよりNessun Dorma

では最後にペルティレが歌うプッチーニ「トゥーランドット」の名アリア“Nessun Dorma”を聴いてみましょう!

トゥーランドットはプッチーニの死後、1926年にトスカニーニの指揮で、ミラノのスカラ座で行われました。この時期はまさにペルティレがスカラ座で大活躍していた時代にあたります。

そうした中で録音したのがこの録音になります。

まず気が付くのは最後のVinceroのH(シ)の音を伸ばしていない事ですね。実はこれが楽譜通りです。いったい誰が最初にやったのかは分かりませんが、今ではこの音を伸ばすのがスタンダードとなっています(ペルティレの5歳下のジーリはすでに伸ばして録音しています)。こうして音を伸ばすことが音楽的かどうかという事を歌う人は一度良く考えてみる必要があるでしょう。しかしこの音を伸ばさないと、お客さんはがっかりしますし、逆に伸ばして歌う事ができないのでは、と疑われてしまっても困ります・・・。なので今の時代においては伸ばさないという判断にはある種のリスクも伴います。

ジュゼッペ

私も最後を伸ばさない録音は初めて聞きました。これが楽譜通りなんですね。

さてもう一度ペルティレの演奏を良く聴いてみて欲しいのですが、ペルティレは出だしの音を下からとったりする事がほとんどありませんし、過度なポルタメントもありません。実はカルーソーもそうなんですが、良く聞いてみるとこの時代のテノールというのは意外とシンプルに、そして割と楽譜通りに歌っています。トスカニーニのような厳格な指揮者と常に仕事をしていたわけですから、それはある意味当然でしょう。でもデル・モナコやコレッリが活躍した時代あたりからテノールは本当に好き勝手に歌うのが当たり前みたいな風潮になってしまっていました。昔はそうではなかったという事は良く頭に入れておく必要がありますね。

ジュゼッペ

私も良く楽譜通りに歌えって注意されるので、気を付けなくては・・。

それにはテクニックも多少関係しています。ペルティレの歌いだしの母音を良く聞いて欲しいのですが、彼は伸ばしている間に母音を変えると言う事はほとんどありません。テクニック的にそんな無駄な事をする必要が全くないからです。これは最初から正しい母音で歌いだしているという事ですよ。後のテノールの多くはパッサジョ域で音をカバーするために、わざと広めの母音で歌いだして、その直後に音をカバーしようとしますね。そうすると出だしの音すべてに前打音がついているように聞こえます。人によって半音近く低い音から歌い始める人もいますね。しかしそれは決して理想的なテクニックではありませんし、音楽的には間違いです。あまりにも多くのテノールがやっているため、それが一種のスタンダードみたいにして受け継がれてしまっていますが、こうした影響を受けてはいけないですね。

おわりに

今回はイタリア人の名テノール、アウレリアーノペルティレを紹介しました!彼の録音の数はそれほど多くはありませんが、どれも素晴らしい物ばかりですので、ぜひ他の録音も聴いてみてください!!

ジュゼッペ

分かりました。別な録音も聞いてみますね!

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