ドイツ音大入試には年齢制限はあるのか?30歳でも音大に入学する事は可能か?【ドイツへの音楽留学!】

みなさん、こんにちは。

私がドイツに留学しに来たのは27歳の時になります。その時すでに音大に入るには年を取りすぎているかもしれない、とか○○さんは年を取りすぎていたから大学に入れなかった・・などいうという話を色々な所で耳にしました。

私も最初に受験した音大(27歳の時)には合格する事ができず、その当時は自分も年を取りすぎなのではないかといろいろいと心配したものです・・。

実際の所、ドイツの音大に入るのに年齢が関係あるのでしょうか?今回はそれを見ていきましょう

音大に年齢制限はあるのか?

音大に年齢制限はあるのか?という事に対する答えですが、一般的には年齢制限を設けていない大学の方が多いです

ただ、年齢制限を設けている音楽大学もあります。年齢制限があるという事は、その年齢に達していると入学試験も受けられないという事ですね。

例えば年齢制限を設けている大学としては、ライプツィヒ音楽大学があります。学科によっても多少異なりますが、例えば声楽科とピアノ科の年齢制限を見てみましょう。

ライプツィヒ音大の年齢制限(2021年現在):声楽科とピアノ科の場合

バチェラー(Bachelor:8ゼメスター)の年齢制限:年齢は入学時

  • 1ゼメスターからの場合:25歳
  • 5ゼメスターからの場合:27歳

マスター(Master:4ゼメスター)の年齢制限

  • 30歳

マイスター(Meisterschüler: 4ゼメスター)の年齢制限

  • 32歳

ライプツィヒ大学では、1ゼメスターから始める人の年齢制限が入学時点で25歳、5ゼメスター(編入)から始める人の年齢制限が27歳となっています。日本ですでに音楽大学を卒業した人はマスターから受験する事になると思いますが、その人たちの年齢制限は30歳となっています。

実はドイツの音楽大学にはマスターの後でさらに2年間程度勉強する事ができますが、ライプツィヒ音楽大学ではその過程をマイスターシューラー(Meisterschüler)と呼んでいるようですね。この呼び方は学校によって異なっており、北ドイツの方だとコンツェルトエクザーメン(Konzertexamen)と呼んだり、南の方だとゾリステンクラッセ(Solistenklasse)と呼んだりします。ライプツィヒの場合は32歳が年齢制限となっています。

年齢制限を設けていない理由は?

ライプツィヒ音楽大学のように受験要綱に年齢制限が明記されていない場合は年齢制限がないと考えて良いと思います。

多くの音楽大学では年齢制限を設けていませんが、それはやはり音楽の特性上、年齢では才能を計る事が難しい事が原因だろうと思われます。

たとえば、声楽科の場合、30歳をすぎてから自分の声の良さに気が付く場合だって十分にあり得ます。その声が明らかに優れたものだった場合、年齢を理由にして勉強するための扉を閉ざしてしまうのは世の中にとってもったいない事ですね。

またベルリンのハンス・アイスラー音楽大学では年齢制限があるとされていますが、その年齢は特に定められていません。これはあくまでもその人個人によって異なるというのがその考え方のようです。

30歳になっていてもそれまであまり学んだ経験がなく、伸びしろがあると判断されれば、年齢制限は当てはまらない可能性がありますし、同じ30歳でもすでに10年間もレッスンを受けており、今後の成長の可能性があまり感じさせられないような状況だと年齢制限に当てはまってしまうという事ではないかと思います。

30歳までは問題なし!!

おそらくほとんどの留学希望者は日本で音大を卒業していると思います。なのでマスターからの受験という事になると思います

ライプツィヒなどの特定の音楽大学を除いては、年齢制限は設けられていませんから、30歳を過ぎていても受験するのに支障はありません。年齢制限があるライプツィヒでも入学時で30歳までだったら受けられます。

なので、30歳まではどこの大学を受験しようが問題はないと言う事ができそうですね。なので自分の年齢が気になっている人は、30歳までは年齢が原因で落とされることはありませんから心配する必要はないです。(※自分が受験しようとしている音楽大学に年齢制限があるかないかは必ず自分でチェックしてください。)

ドイツの音楽大学受験は倍率がものすごいので入るのは決して簡単ではありません。受験で落ちてしまうと年齢を気にする人が沢山いるようですが、そんなことはありませんから合格するまで何度でも挑戦してほしいですね

日本の音大の大学院を卒業した場合

日本の音大の大学院を卒業してしまった場合は、マスターを取得した事になるので、ドイツの大学のマスターを受験する事ができない可能性があります。ただドイツの音大のマスターも声楽科、オペラ科、リート科、古楽科などと細かく分かれていますから、専科を変える事で受験する事は可能です(※判断はそれぞれの大学によります)。

マスターの後にあるコンツェルトエクザーメンやゾリステンクラッセを受験する事も可能ですが、こちらは外部からの受験で入るのはかなり難しくなっています。

年を取ると合格しづらくなる?

私がブレーメン芸術大学に合格したのはなんと29歳の時です。

これは学生の中でも明らかに年上な方ですが、私のような年齢の生徒が少ないかというと決してそうではありません。20代後半の学生は結構いますし、大学に入ってみれば30歳以上の学生も結構います(学科を変えたりして何年も大学に残っている人がほとんどですが・・。)

なので30歳近いからといって合格できないという事はありません

ただドイツの音楽大学の教授達は、学生が将来その世界で仕事ができるようになるかどうかを見ている事が多いです。これは私が接した先生達との話から感じた事です。

なので入試においても、その時の実力だけでなく、この生徒は教えてきちんと伸びるかどうかを判断します。入試においてこの生徒は伸びると感じさせることができれば、年齢は特に関係ありません。(もちろんそれまでの学歴に相応しい実力を示す必要はあります。)

しかしそれと同時に年を取るほど、教師の言葉を素直に受け入れられなくなる生徒が多くなるという事を音大の教授たちは経験的に分っています

なので、どうせ採るなら若い生徒を採りたがる教授達が多いのも事実です。

30歳に近づいてきた、もしくは30歳を過ぎてしまっている場合は、なんとかして自分がまだまだ成長できる可能性がある事をアピールしなければならないと言えるでしょう。

ここで私の入試の時のエピソードを話しましょう。

私は試験の2曲目にロッシーニの「セビリアの理髪師」よりフィガロのアリアを歌ったのですが、その後で、教授の一人(後に私が師事する事になったトーマス・モア先生)が舞台までやってきて急にその場で私をレッスンし始めたのです。

たぶん時間にすれば5分から10分ぐらいだったと思いますが、私はその場で必死にやる気をアピールして無事合格する事ができました。その時の事について後で先生から、「私の言っている事をきちんと理解して対処できるかどうかを見てみたかったから」と言われました。

自分が成長できる可能性をアピール?

私は運よく、試験の場で自分の学習能力をアピールするチャンスを得る事ができたわけですが、他にアピールするにはどうすれば良いのか見てみましょう。

ドイツ語は大事

自分が成長できる可能性をアピールする上で最も大切なのがコミュニケーション能力です。

そしてそのコミュニケーションの基礎となるのがドイツ語の能力ですね。いくら音楽的な才能があったからといっても、教授の言っていることをしっかりと理解できなければ、成長すると思わせることは不可能です。

教授の中には、ドイツ語の能力が低い外国人生徒を取るのが嫌だという人も結構います。

なのでドイツ語は入試までにしっかりと勉強しておいた方が良いと思います。ドイツ語のコースはレベルにおいて6段階(初級からA1,A2,B1,B2,C1,C2)まで分かれています。音大に入る上では最低でもB1の能力を証明しなければなりませんが、コミュニケーション能力をアピールしたければ最低でもB2までは勉強しておいた方が良いと思います。他の外国人留学生と違いを出したければC1は必要です。

私はドイツに来てからいろいろと事情があって音大に入学するまでに2年半もかかってしまいましたが、その間にドイツ語だけはたくさん勉強してC2までの語学力を身に着けました。私の場合はこれが後でかなり役に立ちました。

受験前に一度教授に演奏を聴いてもらった方が良い。

いくらドイツ語力があっても、入試の場で私のようにアピールの場が現れることは稀です。なのでできれば入試前に自分が興味がある教授に連絡をとって、一度自分の演奏を聴いてもらったら良いと思います。

歌を聴いてもらった後で、いくつかのアドバイスを貰えると思いますが、その場でいろいろと質問できたり、または相手の質問にきちんと答える事ができれば、チャンスはさらに大きくなる可能性が高いです。

ただ繰り返し言いますが、ドイツの音大の入試倍率はとにかく高いですから、事前のVorsingenやVorspielで良い感触を得ても、実際に入学でいるかどうかは試験の結果次第になってしまいます。

なので私は一つの音楽大学にとらわれずに、できるだけ沢山の大学を受験する事をお勧めします。やはり大学に入学できないと2年以上ドイツに滞在するのが難しくなりますので・・・

おわりに

今回は年齢制限の話でした。

年齢制限はない所が多いですし、あったとしても30歳までなので30歳以下の人はそこまで気にする必要はないと思います。

ただ教授たちが若い生徒を採りたがる傾向にある事は事実です。なので自分が少し年を取っていると感じる人は、年齢に見合った実力と成長するポテンシャルを示す必要があります。長年勉強してきた分実力でアピールするのはもちろんですが、それ以外にコミュニケーションの能力がある事も積極的に示していきましょう!

とにかく年齢で諦めてしまう話を良く聞きますが、ポテンシャルが認められれば関係ありません。あきらめないで頑張って挑戦して欲しいですね。

※音大の年齢制限など入試要項は随時変更となる可能性がありますから、必ず最新のものをチェックしてください。

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