ドイツへの音楽留学!ドイツに着いてから最初にやるべき事から音大入試までの流れ!

みなさん、こんにちは。

前回は留学までの準備についての記事を書きましたので、今回はドイツに着いてから最初にやるべきこと、それから音大入試までの準備について話をしたいと思います。

まずは勉強する環境をしっかり整えよう!

レッスンを受ける先生も見つかり、住むところが決まり、ようやくドイツにやって来ました!これからいよいよ念願の留学生活がスタートしますが、何をしたら良いのでしょうか?

まずは一日も早く勉強する環境を整える事です!!

今回は現地に着いてからまずやるべきことを順番を追って見ていきましょう!!

①現地の語学学校に申し込む。(留学前に申し込んだ方がさらに良し)

ドイツに留学する上で最初に必要となるのがドイツ語です。レッスンをより効果的に受けるためにもドイツ語は最初にある程度のレベルまで勉強してしまった方が良いです。

というのも人間というのは、言葉が話せなくても外国で生活する事にだんだん慣れてしまいます。少ない語学力でも生活する事に慣れてしまってからだと、そこからドイツ語を勉強する必要性が感じられなくなってしまうのです。なので生活に慣れる前にドイツ語はできるだけ沢山勉強した方が良いです。

だいたいの街にはゲーテインスティテュート(Goethe Institut)やインリングア(Inlingua)、ベルリッツ(Berlitz)といった語学学校がありますから、すぐに申し込みましょう。またフォルクスホッホシューレ(Volkshochschule)と呼ばれる街が運営するカルチャースクールのような所でもドイツ語のコースを受講する事が出来ます。

フォルクスホッホシューレは安いですが、大人数のグループでの授業となる上、早めに申し込まないとすぐに定員に達してしまいます。

後々音楽大学に入学するつもりがある人は滞在ビザにも関係してきますからここでは必ず集中コース(一日4時間ぐらいのコース)に申し込んでおきましょう。

集中コースだとだいたい8週間ぐらいで教科書1冊が終わる計算です。音大に入るためのには最低でも集中コースを3つ(レベルB1)やっておく必要があります。

②市役所に行って住民登録をする!

さて、ドイツにやってきたら、まずは市役所に行って住民登録を2週間以内に済ませなければなりません。これは特に難しい作業ではありません。市役所(RathhausもしくはBürgerbüro)の住民課(Einwohnermeldeamt)に賃貸契約書持って行ってそこに住むことを証明すればよいだけです。受付方法は街によっても異なりますが、たいていは予約なしで対応してくれます。

最近では住民登録時に大家さんがサインした書類を求められるようになりましたが、そのような規則は大家さんの方でも把握していますから、賃貸契約書と同時にその書類も渡される事になると思います。

住民登録が無事に済むと住民登録票(Meldebestätigung)がもらえます。この資料はいろいろな場面で必要となりますから大事に保管してください!

③留学用の医療保険に加入する!(留学前に準備できるとさらに良し)

住民登録が済んだら、留学用に医療保険に加入しましょう(留学前に済ませるとなお良し!)。ドイツでは医療保険の加入が義務付けられています。ドイツでは学生になるとAOKやDAKなどといった公的医療保険にも加入できますが、そうなるまではプライベートの医療保険に加入する事になります。

私は学生になるまでは留学やワーホリの滞在ビザが取得しやすいとの理由からステップイン(Stepin)という保険に加入していました。

仮に医療を受ける場合は、自分でいったん支払いをした後で、その金額を保険会社に申請するという手間はありますが、ビザの取得において困ったことはありません。

幸い私は大学に入るまでそれほど大きな病気になる事もなく、医療保険の世話になる事はほとんどありませんでしたので、どの保険がどの程度をカバーするのかはわかりませんが、その辺はぜひとも自分で調べてみてください。

④銀行口座を作成する

住民登録が済んで住民票(Meldebestätigung)を受け取ったら地元の銀行に行って口座を開設してください。

ドイツに滞在するためには滞在に必要なお金がある事を証明するために口座にある程度の金額を入れておく必要があります。滞在許可の申請時に残高証明を貰う必要があります。

口座を開設(Kontoeröffnung)する時にはパスポート、それから住民票などの書類が必要になります。

口座の開設が済んだら、ドイツで必要な生活費を日本から送金しましょう!

④外人局に行って滞在許可を申請する!

これらの準備が済んだら、いよいよ滞在許可の申請です。日本人は滞在許可がなくても3か月までなら旅行ビザでドイツ滞在が可能だとされています。

しかし留学という事になると長期滞在ビザが必要になりますね。滞在許可の申請は外人局(Ausländerbehörde)で行います。

ここで重要になってくるのが、どの種類のビザを申請するかという事です。音楽留学において最も一般的なのが、音大入学を見越した大学入学準備ビザの申請です。大学入学準備ビザはだいたい半年から一年間のビザを貰う事ができますが、一般的には2年まで延長が可能と言われています(私は準備ビザで2年以上粘りましたが・・・)。語学ビザでの滞在も可能ですが、これは1年程度が目安とされていますので、それ以上の期間留学したい場合は大学準備ビザの方が良いと思います。

大学準備ビザの申請に必要な資料は、だいたい以下のようになっています。これらの資料は住んでいる地域によって異なりますからあくまで参考程度として考えてください。

  1. パスポート
  2. 申請用紙
  3. 証明写真
  4. 住民登録証
  5. お金:銀行口座の残金が約9000ユーロ以上(多ければ多いほど良し)、又は奨学金などの証明書
  6. 健康保険
  7. 語学学校の証明書(集中コースである必要あり)
  8. 受験申込証明(願書を出願した場合に限る)

大学の準備ビザを取得するためには、大学に行くという意志を伝える必要があります。そのためには大学に入るために語学学校の集中コースに通っている事を証明しなければなりません。すでに大学入試に申し込んである人はその証明書を持って行った方が確実です。ただこれは受験の時期とうまく重なっていなければなりませんから、なくても心配する必要はないです。

最初のビザ申請は決して難しくはありません。とりあえず資料が揃っていれば問題なく半年のビザを貰う事ができると思います。

音大入試までの流れ

滞在許可が降りたら、ようやく安心して勉強に集中できますね。それでは音大入試までの流れを見ていきましょう!!

①音大の試験は夏と冬の年2回

ドイツの大学はゼメスター制度をとっていますので、入試も夏と冬の年2回行われます。ただドイツは州によって夏休みの時期がずれていますので、それに応じて入試の時期も州ごとに変わります。冬の入試は1月から3月の間に、そして夏の入試は6月頭から7月の間に行われるのが一般的です。

うまく州を変えて音大に申し込めば、時期をずらして沢山の音楽大学を受験する事が可能となります。

一年に2回入試があるという事は、留学してから遅くとも半年以内には最初の入試がやって来るという計算になりますね。

例えば5月に留学を開始した場合、早ければ6月の入試に間に合う可能性もありますが、じっくりと語学の準備をして2月の冬の入試に備えるという事も可能です。

入試は2回までしか受けられない?

一般的には一つの大学で同じ学科を受験できるのは2回までとされています(例外もありますから受験したい大学の規則を確認してください)。なので、どうしてもその大学に入りたければ、焦って受験するよりもしっかり準備をして半年遅らせた方が良いかもしれません。いずれにせよしっかり準備が出来たと思ってから入試を受けるのが大事ですね。

②Vorsingen(Vorspiel)は必要か?

さて音楽大学に入るためには、その前にその大学の教授の前で演奏を聴いてもらう必要があるとされていました(歌の場合はVorsingen,楽器の場合はVorsipiel)。

自分に合った先生を見つけるためにも、大学の先生に積極的に連絡をして演奏を聴いてもらった方が良いのは今も変わらないと思います。

そこで気に入ってもらえれば、入学後もその先生の下で勉強が続けられる可能性が高くなります。

ただし、Vorsingen(Vorspiel)で気に入ってもらったからと言って、入試に合格するという保証はありません。と言うのもひと昔前と比べてドイツの音楽大学を受ける外国人受験者の数がものすごく多くなっているためです(倍率が高い!!)。

いくらその先生に気に入ってもらったからと言っても、受験で明らかに上のレベルの人が現れた場合は、やっぱりうまい人の方が合格します・・・。

なので、Vorsingenはやったほうが良いですが、合格する保証にはならない事を理解する必要があります。

音大に入るのは難しい!できるだけ沢山受験するべき

先程倍率について触れましたが、ドイツの音大に入るのはすごく難しいです。大学の規模(教授の数)にもよりますが例えば声楽科(マスター)の各ゼメスター毎の新規学生の数は多くて10人と言ったところでしょう。教授一人当たりマスターで新規採用する学生は1人か多くて2人が一般的です。私が勉強したブレーメン芸術大学は半分は美術科だったので音楽科の規模は他の音大よりも小さかったですが、私と同期は4人しかいませんでした。

しかしその10人ぐらいを選ぶのに200人ぐらい受験するのです。東欧やアジアから沢山の受験生がやって来ますが、特に韓国人が多いです。ドイツの音大には韓国人のコミュニティーがあり、彼らが韓国からの受験生をサポートしています。まだドイツ語もほとんど話せない韓国人たちが、スーツケース一つでドイツ中の音楽大学を受験するために韓国からはるばるやって来るのです。

なのでいくら気に入った教授がいる大学に入りたいからと言って、そこの大学に合格するかどうかは蓋を開けてみない事にはわかりません。

音大で勉強する事を目指す人は、とにかくいろんな音楽大学を受験してみたほうが合格する確率は上がります。私もいくつか受験しましたが、結局はVorsingenもせずにいきなり受験した大学に合格しました。

語学証明書が必要

ドイツの音楽大学に入学するためには、語学の能力を証明しなければなりません。そのレベルはB1程度とされていますが、TestDaFという試験を受けて、読む、書く、聴く、話すの4項目でレベル3(5が最高)の成績を収める必要があります。

大学に合格した時点でこのレベルに達していなくても、入学後半年以内にこの試験に合格すれば良いとする大学もありますが、語学の勉強は早い段階でやってしまった方がよいですね。

おわりに

さて、今回は音大入試までの流れを説明してみました。ここに書いたことはあくまで私の経験をもとにした例です。実際にはそれぞれの大学や、住んでいる州、街によっても少しずつ違いますから、必ず自分でチェックする事をお忘れなく!


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